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各国移転価格NEWS~インドネシア2~

前回のインドネシアNEWSでは、インドネシアにおいて、201612月に移転価格文書に関する財務省規定第213号(PMK-213)が発効され、国外関連取引を行う納税者は、マスター・ファイル、ローカル・ファイルおよび国別報告書を準備することが要請されたとお伝えしました。今回は、その後のインドネシアにおける移転価格文書化の動向についてです。

2018年1月、インドネシア税務総局(DGT)は、国別報告書の実施に関するDGT Regulation No.29/PJ/2017(“PER-29”)を公表しました。PMK-213に引き続きPER-29を見ても、インドネシアが、OECDBEPSプロジェクトの行動計画13に沿ったかたちで移転価格文書に関する法整備を行っていることがわかります。

さて、新規則PER-29では、主に次の3点について詳細なガイダンスを提供しています。第一に、どの事業グループや多国籍グループが、インドネシアにおいて国別報告書の提出を要請されるのか、第二に、国別報告書に関連して準備・提出する必要のある書類について、第三に、インドネシアにおける国別報告書の準備と提出の時期です。

第一については、PMK-213と同様に、次のように国別報告書の提出基準が設定されました。

1) 連結総収入が11兆インドネシアルピア以上の事業グループのインドネシアに在住する親会社

この場合は、プライマリー・ファイリング・メカニズムに該当し、インドネシアの親会社は、インドネシアや海外のグループ事業体に代理人を任命できず、自ら国別報告書を準備・提出しなければなりません。

2) 親会社が海外に所在し、その親会社が当該国において国別報告書を要求されていない、あるいはインドネシア政府との間で国別報告書の自動交換を要請できる適格当局間合意(QCAA)がない、あるいは協定が結ばれているものの、インドネシア政府が国別報告書を入手できない場合

この場合は、セカンダリ・ファイリング・メカニズムに該当し、海外親会社の総収入が75,000ユーロと同等の金額を超えている場合には、現地事業体が国別報告書を提出する必要があります。ただし、親会社が代理親会社を任命し、当該国/管轄地域において国別報告書が提出され、QCAAによりインドネシア政府が入手可能であれば、インドネシアでの国別報告書の提出は免除されると定めています。

次に、第二の国別報告書提出に係る必要書類については、PER-29CbCR Notification form(通知書のフォーマット)を使用し、税務当局へ「通知書」を提出することを要請しています。その通知書により、現地の納税者が国別報告書を提出する義務があるかどうかを表明することが求められています。また、インドネシアで国別報告書を提出する親会社のみが国別報告書とともにワーキング・ペーパーを提出しなくてはならないことが明らかにされています。通知書を含め、国別報告書、ワーキング・ペーパーの書類はDJTオンライン(DJTの公式ウェブサイト)を通して提出しなくてはなりません。さらに、通知書や国別報告書の提出の際に、納税者は受領書を受け取ります。納税者は、当該受領書を法人税申告の際に添付する必要があります。添付がない場合は、罰則の対象になるため気を付ける必要があるでしょう。なお、当該受領書は国別報告書の代わりとなるため、法人税申告書提出の際に、国別報告書そのものを提出する必要はありません。

第三に、国別報告書の準備と提出の時期に関しては、国別報告書および通知書は、納税者の会計年度終了の日から12か月以内に準備を行わなくてはならないと定められています。PER-29は、インドネシアにおいて国別報告書を提出する義務は、親会社の2016年からの会計年度に基づき提出されなくてはならないとしています(2016年の会計年度のみ16か月以内)。また、インドネシア政府によって国別報告書が入手できない場合は、DGTが「QCAAはあるものの国別報告書を入手できない国/管轄地域」をウェブサイト上で公開した日から3ヵ月以内に、現地納税者が国別報告書を提出しなくてはならなと定めています。もし、3ヵ月を過ぎても、納税者が国別報告書を提出しなかった場合は、当局から正式の要請書が発行され、要請書の発行の日から30日以内に国別報告書を提出しなければなりません。

PER-29では、この他ペナルティについても、法人税申告書に通知書あるいは国別報告書の提出の受領書が添付されていなかった場合には、法人税申告書が不十分であるとみなされ、納税者は100万インドネシアルピア、または未払い税金の50%の罰金を科せられる場合があると定めています(国別報告書自体の提出の不備については明確にしていません)。

新規則は、201712月から有効であり、2016年会計年度以降、提出要件を充たす法人を対象としています。PER-29は、国別報告書を提出する際にインドネシアの納税者が、どのように提出を行うのか、その遵守要件を理解する道筋を示していると言えるでしょう。

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