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各国移転価格NEWS~台湾【2】~

台湾では近年OECDの推奨する移転価格規則の整備が急速に進められています。本サイトにおいて、昨年7月に国別報告書およびマスターファイルに関する規則が定められた修正ドラフト、 “TP Assessment Rules”が公表されたことを取り上げました。その後、2017年11月には、TP Assessment Rulesの修正が公表され、台湾においても、2017年事業年度から本格的にOECDが提唱する3層の移転価格文書が導入されることになりました。
台湾における3層の移転価格文書は、2005年から実施されてきた移転価格報告書、国別報告書とマスターファイルから構成されています。国別報告書の作成義務の基準はODCDに従い、多国籍企業の年間連結収益が270億台湾ドル(約9億USドル)以上となっています。提出期限は多国籍企業の事業年度末から12か月以内となります。台湾の多国籍企業の構成事業体は、法人税申告の一部として提出される移転価格開示フォームPage B6で、誰が国別報告書を提出するかを開示することを要求されます。究極の親会社が台湾企業の場合、事業年度末から一年以内に規定のフォーマットに従い事業年度の国別報告書を準備し提出しなくてはなりません。親会社が外国企業の場合、あらかじめ本社に国別報告書を提出する企業を確認する必要があります。また、台湾当局が国別報告書の情報交換の協定を通して国別報告書の情報を得ることができなかった場合、台湾の企業は本社からコピーを得て自身で国別報告書を提出する必要があります。
他方、マスターファイルについては、台湾企業の年間売上高が30億台湾ドル以上の企業に提出の義務があります。マスターファイルは親会社レベルで準備されるため、台湾の子会社は提出締め切りまでに親会社に同ファイルを準備するよう依頼することが推奨されます。さらに、親会社で作成されたマスターファイルの内容が台湾側で作成された移転価格文書と一致するかどうかのダブルチェックをする必要があります。同ファイルは法人税申告とともに準備され、提出は事業年度末から12か月以内に提出されなくてはならないと規定されています。
このように台湾では国内規定で3層の移転価格文書が採用され、その実施が現実となった今、注目されているのが国別報告書の情報交換の可能な国のリストの更新でしょう。2018年5月現在、ニュージーランドだけが唯一台湾と国別報告書を交換することが可能です。つまり、他の国の究極の親会社や代理親会社を持つ台湾企業は、2017年国別報告書の提出を自ら行わなくてはなりません。台湾の財務省は現在、国別報告書の交換の協定について、以下の国々と協議を進めています
(協議中の国々)
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ガンビア、ドイツ、ハンガリー、インド、インドネシア、イスラエル、イタリア、イタリア、日本、キリバス、ルクセンブルグ、マケドニア、マレーシア、オランダ、パラグアイ、ポーランド、セネガル、シンガポール、スロバキア、南アフリカ、スワジランド、スウェーデン、スイス、タイ、イギリス、ヴェトナム等。
台湾財務省は今後、不定期に国別報告書を交換可能な国を更新していくでしょう。そのため外国の多国籍企業の台湾企業は、法人税申告にあたり移転価格開示フォームを完成させる際は、税務コンサルタントに相談することが推奨されます。同時に、協定国の更新状況について、注視していく必要があるでしょう。

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