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多国籍企業による租税回避への対抗に向けたOECD/G20の第一歩が踏み出される

2015年2月6日、パリ

トルコ・イスタンブールにて2月9-10日に開催されるG20財務大臣会合において、OECDは、多国籍企業による税源侵食及び利益移転(BEPS)に関するG20との共同プロジェクトの最新状況を発表します。
OECD・G20諸国は、BEPSプロジェクトの実施を可能にするため、以下の3点について合意しました。
租税条約に関連するBEPS対応策の実施を効率的に行うための多国間協定に関する交渉を開始するマンデート
2016年の国別報告書(CbCレポート)の実施パッケージ及び2017年に開始する関連政府間情報交換の枠組み
知的財産(パテント・ボックス)への優遇措置が有害か否かを審査する基準
アンヘル・グリアOECD事務総長は、「これらの合意は重要な前進である。つまり、これらの合意により、公正な国際課税システムの構築の実現に向けての進展が証明されることになる。この決定はまた、国際社会が、G20首脳に支持された野心的なスケジュールに則して税源侵食及び利益移転の問題に終止符を打とうとする、揺ぎ無いコミットメントを象徴するものである。」と述べました。
G20-OECD BEPS 行動計画は、2015年末までに報告される国際課税ルールに関する15の具体的行動を示しています。本プロジェクトは、各国政府が課税ベースを守ることができるようにすること、そして納税者に一層の確実性及び予測可能性をもたらすことを目的としています。同時に、新たな国内法の整備が、二重課税や過度のコンプライアンス負担、合法的な越境取引の障害を生じさせないことも狙っています。OECDは、2014年11月の豪ブリスベンG20首脳サミットにおいて15の行動計画のうち7つについて発表し、残りについて次回の2015年11月トルコ・アンタルヤG20首脳サミットにおいて発表する予定です。
BEPS行動計画の実施によって、世界中で3,000以上ある二国間租税条約の既存のネットワークを修正することが求められます。計画されている多国間協定は、既存の租税条約ネットワークを迅速かつ一貫性のある方法でアップデートするためのツールを各国に提供することになります。
合意されたマンデートにより、全ての国が参加可能なアドホック交渉グループが設立されます。同グループはOECDが主催し、2015年7月までに第一回会合を開催すること、そして2016年12月31日までにドラフトの作成を終えることを目標としています。
BEPSプロジェクトのもう一つの主要目的は、多国籍企業から税務当局に対して収益、利益、税額(発生額及び支払額ベース)及び主な経済活動に関する情報の提供を求める国別報告書テンプレートの利用をはじめ、移転価格文書化基準の改善を通じた透明性の向上を図ることです。G20に提出された新たなガイドラインは、7.5億ユーロを超える収益の多国籍企業に対して、2016年から居住地国における国別報告を求めています。各税務当局は、2017年に最初の国別報告書の交換を開始する予定です。各国とも、税務情報の守秘を確保する必要性を重視しています。
本ガイダンスは、これらの報告書を税務当局間で共有する第一の方法が二国間租税条約、税務行政執行共助条約又は情報交換協定(TIEAS)などの政府間メカニズムに従った自動的情報交換であることを明確にしています。そして、特定の例外的な場合に、第二の方法(ローカル・ファイリング)が使用できるとしています。
BEPS行動計画のもう一つの主要目的は、いずれの知的財産税制(パテント・ボックス)及びその他の優遇措置が有害税制であると考えられるかを示すことです。G20首脳はブリスベンにおいて、知的財産税制における実質的な活動の有無を審査する方法に関してドイツ及び英国が提案した解決法を支持しました。本提案は、「ネクサス・アプローチ」(所得の発生に関連した支出に則して知的財産関連所得の便益を納税者が享受できるようにする方法)に基づいており、すべてのOECD・G20諸国からの支持を受けました。2016年6月以降の新たな参入を制限することを含めて、現行制度の経過規定が合意され、実施に向けた作業が現在進行中です。
新たなBEPS実施ガイダンスに関して、12以上の開発途上国から政府関係者が集まり議論に参加しました。これは、2014年11月12日に発表されブリスベンでのG20首脳に歓迎されたBEPSプロジェクトにおける、開発途上国の更なる関与に向けた広範な戦略に則したものです。この直接の参加は、各地域における各国の税務当局及び政策担当者、地域税機関による対話によって補完されます。この開発途上国の広範な関与は、ポスト2015フレームワークの資金を調達するための資源の結集に向けた世界的な取り組みと整合的なものです。
(出所:OECD)

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