移転価格辞典
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メキシコの移転価格税制

法制度

  • メキシコ所得税法第(Mexican Income Tax Law)86条、215条、216条、216条BIS
  • 1997年に移転価格税制が導入されて以降、比較的洗練された規制にまで発展している。
  • 2013年10月31日に2014年度の税制改正案可決。2014年1月に発行。同改正により、1. 企業単一税(ISR)は廃止され法人所得税(ISR)に一本化され / 2. メキシコから外国の親会社への配当金に対して10%の源泉税が課される(ただし、日墨租税条約の適用に税軽減の可能性有)
  • 2014年10月16日、メキシコの税務当局SATは、ある要求が満たされれば非居住者との比例計算で課された支出に対し控除を認める規制を公表した。(※メキシコ企業が上記で必要とされる要件を満たしていれば、非居住者との費用分担を認めていない所得税法は適用されない)

移転価格算定方法

  • 6つの移転価格算定方法(CUP、RPM、CP、PSM、RPSM、TNMM)が規定されている。なかでもCUPが最も好ましい方法とみなされ適用不可の場合にのみ、次にCP法、RPMが検討される。利益法を適用する場合、その他の方法が適用できない旨の文書化が必要。さらに、PSM、RPSMやTOPMMはある条件のもとでは適用されない。

申告時の情報開示

  • 申告時の情報開示義務あり。また、移転価格文書が整備されていない場合は年次税務報告(Dictamen Fiscal)にその旨を開示しなければならない。
  • 開示必要な文書は以下。税務申告書、詳細移転価格申告書、IMMMEX申告書、SIPRED、その他関係ある情報開示の必要あり。
  • 500万MXN以上か独立企業価格の20%以上の移転価格調整があった場合にはForm76で開示の必要有り。
  • 毎年、移転価格の検討がなされているか、それは規約や協定にのっとっているかについて回答しなくてはならない。
  • その他、関連者間取引の詳細が別表として開示されなくてはならない。

移転価格文書

  • 同時文書の必要有。文書には以下の情報を含まなくてはならない。
    1. 取引を行う関連当事者の名前または、法律上の名前、住所及び税務上の居住地並びに関連当事者間の直接間接分の持分を示す関連書類 / 2. 果たした役割または行った活動、使用した資産及び各種取引について納税者が負ったリスク任官する情報 / 3. MITL179条に示された分類及びデータに基づく、関連当事者との取引とその金額に関する情報及び関係書類、各種取引について比較対象企業または取引に関する関連情報を含め、MITL180条に基づいて適用された移転価格算定方法。
  • 場合は3百万ペソ)を超える場合に、移転価格文書の整備が必要(5年間保管し、毎年更新が必要)。
  • 提出期限に係る明確な規定はないが、2007年における高等裁判所の判例によると申告書提出時と判断される(通常は3月末まで)。
  • 2014年より関連者との比例配分された支出は控除対象になるが、その際に、取引内容の詳細、非居住者についての詳細、また、その配分が独立企業価格に基づいているか等を示さなくてはならないため、移転価格文書は保管されなくてはならない。
  • 言語はスペイン語。
  • 文書は税務申告の時期までに用意されなくてはならない。税務申告締め切りは、メキシコではすべての事業年度はカレンダー通りのため3月31日となる。
  • 文書の提出時期はSATからの要請があってから15日営業日以内。要請があれば10日営業日の延長が認められる。

罰則

  • 税未納の場合、未納通知が発行される前に気づいて支払った場合、未納分の30%-40%の延滞税、その他の場合には未納分の55%から75%のペナルティが課される。但し、文書化要件を満たしている場合は、ペナルティが半減される措置がある。

挙証責任

  • 基本的に当局側にあるが、文書化が整備されていない場合は納税者サイドに転嫁される。

APA

  • 1997年にAPA制度が導入され、ユニラテラルAPAおよびバイラテラルAPAが可能。
  • 2012年Miscellaneous Tax Ruleによりメキシコ内関連者取引に関するAPAを規定
  • マキアドーラはAPAが移転価格とPE控除の基準に準拠するように求めるとができる。
  • APA 申請費は865US$で、APAの適用期間に年次報告する際に173US$。費用は都度更新。
  • 5年間を対象(発行年より3年、発行年、遡って1年)。

その他

  • 移転価格税制の課税対象は直接的、または間接的支配関係にある企業グループ。特定の持分の規定はなされていない。
  • 2014年度の税制改正により、技術支援料、支払利子、ロイヤルティの損金算入が、メキシコ法人を支配またはメキシコ法人により支配されている外国法人へ支払われるもので、なおかつ受領者が透明な事業体であり、その所有者がその事業体の居住する国において課税されない場合、また受領者の税務上の居住国において当該支払いがなかったとされる場合、受領者の居住国の法規に基づき、その受領者が当該支払額を課税所得に算入しない場合、不可となる。
    • タックスヘイブンの居住者への支払は、移転価格文書によりサポートされていない限り、損金算入が認められない。
    • 他の関連者によっても損金として扱われる費用は対応する収益が当該関連者の費用の支払いがなされたのと同じまたはその翌会計年度の課税所得に計上されない限り、損金算入が認められない。
  • メキシコ税務当局は、租税条約を適用するために、適用されなければ二重課税となる旨の宣誓証言を非関連者との関連者に求めることができるようになる。
  • 旧税制では免税であった、メキシコ証券取引所に上場されている株式売却により実現したキャピタルリゲインに、10%の所得税が課せられる。特定条件を満たせば租税条約の適用が可能。
  • 非居住者への実施配当に10%の新源泉徴収所得税が課せられる。租税条約の適用により低減税率の適用を見込むことができる。
  • 所得税新法でマキラドーラ制度の定義を修正し、従来認められていた会社独自の移転価格スタディによる価格設定が廃止され、セーフハーバーとAPAのみが選択肢として残ることになる。
  • さらに、国外関連者取引を行う企業は「Transfer Pricing Information Return For Cross Border Intra-Group Transactions」というフォームを提出しなくてはならないが、セーフハーバーとなっている取引については免除される。
  • 租税条約を結んでいる国の居住者に対してCCやCAに係る費用分担の控除可能。
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