移転価格辞典
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イギリスの移転価格税制

法制度

  • 2010年2月にTaxation (International and Other Provisions) Act 2010 (TIOPA 2010)が発遣され、2010年4月1日以降終了事業年度に適用された。移転価格に関しては第4章に定められている。
  • 英国の移転価格税制に関する規約はOECDの移転価格に関するモデル協定やそのOECDガイドラインにそっている。
  • 2015年3月「グーグル税」と呼ばれる迂回利益税(Diverted Profits Tax)が公表、可決。4月1日より導入。

移転価格算定方法

  • 2010年のOECDガイドラインに記載されている方法が認められている。CUP法、RP法、CP法、利益分割法、TNMM、など、独立企業間原則に則ったものであれば特に特定されず、状況に一番適した方法をとる。

申告時の情報開示

  • なし

移転価格文書

  • HMRCはInternational Manual 483030で文書化要求に関する指針を公表した。文書化フォーマットは特にきまったものはないが、関連者取引が独立企業間原則に則って税金が支払われることを示したものでなくてはならない。以下について記録がされるべきである。1. 取引に関する最重要会計記録 / 2. 税金調整の記録 / 3. 関連者取引の記録 / 4. 独立企業間の結果を示す記録
  • 但し、UK Corporation Tax Self-Assessment Regimeに従って適正な申告を行うのに必要な資料の作成・保存義務があるため、実質的にDocumentationが義務付けられている。過少資本に係る文書化も必要となる。
  • 文書が不備であったり、保管されていない場合は最高€3,000のペナルティあり。
  • 納税時に文書提出の必要はないが、毎年納税期に同時化文書は用意されなくてはならない。
  • 税務当局から要請があった場合には、30日以内に移転価格文書を提出する必要がある。文書の提出頻度に指定はなく調査時に提出をリクエストされる。
  • 当局より提出後、追加質問がなされる場合があるが、要求される資料項目は特に定められていない。移転価格調査では公式プロセスが定められており、各段階で承認手続きが必要となる。
  • 文書の保存期間は1. 対象の会計年度末から6年間 / 2. 納税申告書に係る調査が完了したとき / 3. HMRCによる調査の時効となるときまで保存が推奨される。
  • 言語は英語。

罰則

  • 移転価格についての特別なPenalty条項はなく、一般規定(最高、未納税額の100%)が適用される。課される額は状況によって異なる。過失:0-30%/故意を含む過失:20-70%/故意・隠ぺいを含む:30-100%

挙証責任

  • 関連者との取引価格の妥当性を立証する責任(挙証責任)は納税者にある。

APA

  • APAの手続きはTIOPA 2010 第5章に規定されている。これにあわせて通達も近々改定される予定である。
  • APA申請費用はかからない。
  • 適用年数は3年から5年で、納税者かHMRCがロールバックを求めることもできる。
  • APA条項には協定を終了させる権利がHMRCにあることが記されている。

その他

  • 移転価格税制はクロスボーダー取引だけではなく英国企業間の取引にも適用されることになった。
  • 移転価格の税制の適応範囲は、クロスボーダーの取引だけではなく、英国内取引に対しても独立企業間価格原則が適用される。
  • 比較対象企業は、該当国の比較対象企業が望ましいが、当該国の比較対象企業のデータがない場合は外国企業も対象範囲とすることも認められる。
  • 二重課税がなされている場合にはCAに調整手続きを申請可能。
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